『東京・西京』
はじめに
内裏屋敷跡を離れて再び国道406号線を走っていくと、
やがて鬼無里の街中へと入っていきます。
この鬼無里の街中には「東京」「西京」という特徴的な地名があります。
これらは街中に流れている裾花川を内裏屋敷跡から見て、
左岸を「東京」、右岸を「西京」という風に分けられているそうです。
この二つの土地にはまるで象徴とするかのように神社が建てられており、
東京に建っているのが「加茂神社」、西京に建っているのが「春日神社」となっています
春日神社
内裏屋敷跡から鬼無里の街中に入るとまず最初に着くのが「春日神社」。
京に思いを馳せる紅葉が西京という地名に倣って建てたとも、
遷都伝説に登場する三野王が建てたとも言われています。
ちなみに看板には三野王が建てたと記述されています。
しかし、個人的には紅葉が建てたという説の方が気に入っています。
鬼無里の紅葉伝説では紅葉が貴女として扱われていることや、
そんな紅葉に村人が感謝していたという鬼無里の伝承を聞くと、
その方が合っているんじゃぁないかなってだけの理由ですが(笑)
加茂神社
そしてこちらが加茂神社。
春日神社を出て、裾花川を渡ってしばらく進むと見えてきます。
春日神社とは違って、ひらけた場所に建っているため景色は綺麗でした。
この加茂神社も春日神社と同様に誰が建てたのか定かではないそうですが……
こちらの看板にはしっかりと三野王が建てたと書かれていました。
ちなみに祭神は武御雷命(たけみかづちのみこと)であり、
京都にある加茂神社とは祭神が異なっています。
(京都の賀茂神社の祭神は賀茂建角身命(かもたけつのみのみこと)、あるいは賀茂別雷命(かもわけいかづちのみこと))
諸説ありますが、京都の2柱の祭神をごっちゃにしてしまったというのが有力な説らしいです。
やぁ、何処の時代にもうっかり屋はいるもんですねぇ(笑
おわりに
京都から遠く離れた鬼無里の土地で京都縁の名前を見ると何だか不思議な気持ちになってきます。
紅葉にしろ、三野王にしろ、ここに京を思い起こさせる地名を名付けたのはやはり郷愁によるものなんでしょうか。
なんともはや、ロマンを感じさせてくれますねぇ。
……などと考えつつ、次の目的地「松厳寺」へと向かいますw