『第二回ぼんぼり祭り 〜湯涌温泉〜』
・はじめに
―ぼんぼり祭りとは―
アニメ「花咲くいろは」の作中で行われるお祭り。
小さな女の子の神様が神無月に出雲に帰る時の道標に、
のぞみ札を下げた「ぼんぼり」で送り出すためのお祭り。
『参考:
湯涌ぼんぼり祭り』
という由来の、今回で第二回目のお祭りです。
まさかのアニメ発祥。でも他のお祭りも由来は似たようなモノではないでしょうか。
信じる人が居れば、そこに神様は居るのです。きっと。
・湯涌までの道のり
湯涌へ行くなら北陸道(下り・上り)どちらも「森本」で降りるのがベストではなかろうか。
分かる人は分かると思うが、金沢は発展しているものの基本的に丘陵地。
そのため道は所々上り下りがあり、細く入り組んでいる場所もある。
勿論広い道もあるにはあるが、車通りが多くて迷いやすいというオマケ付き。
なので私は「森本IC」から山側環状でぐるっと回って行く道が好きです。
とまぁ、今回の旅行もそんな感じで森本で降りて山側環状をぐるっと進んで行きました。
しかしこの祭り、どうやら車で行くのはNGらしい。(
公式HP参照)
じゃあどうやって行けばいいのかと悩んでいたが、当日は金沢駅からのバスに加えて臨時のバスが金沢大学から出ているとのこと。
金沢大学なら森本から降りてすぐじゃないか、という事で金沢大学に車を止めて臨時バスで目的地へと向かうことに。
ちなみに金沢大学から出ていた臨時シャトルバスがコレ。
当日はアニメにちなんで「湯涌温泉」ではなく「湯乃崎温泉」になってました。
いやぁ、乗る時になって表示に気付いて「目的違う!?」と焦ったのはまた別の話(苦笑
・湯涌温泉
位置的には金沢の南東にあり、富山県との県境にも近い所にある温泉地。
電車は通っておらず、金沢駅から出るバスが主な交通手段となる。
といっても富山・石川共に車がメインの交通手段なので特に行き辛いという事もない。
温泉宿が立ち並ぶ一角と、風情ある商店街や、大きくて静かな玉泉湖。
とにかくゆっくりしたい時に訪れると良い感じの温泉地。
また、「総湯 白鷺の湯」や「白鷺の足湯」等など宿泊しなくても利用できる施設もあるので日帰り旅行にもお勧め。
(当日はイベント真っ最中だった為かあちこちで「花咲くいろは」のポスターが張ってありました)
・ぼんぼり祭り 〜その前に〜
そんな静かな温泉地が、当日(10月6日)は異様な盛り上がりを見せていた。
私が着いたのは午後4時頃だったが、それでも人は多く、シャトルバスには人が溢れていた。
湯涌には野外ステージもあるのだが、そこでは各種様々な食べ物屋台が開かれており、
そこで購入したであろう料理を食べる人で賑わっていて吃驚した。
さらにちょいっと奥に行くと物販スペースもあり、こちらも負け劣らずに賑わっていた。
私は元々祭りやら神社やらを見に来ただけだったので手持ちも少なかったのだが、
気付けば片手に重い手提げ袋を下げていた…まったく、イベントって怖いね。
ちなみにこれがその手提げ袋。
来年春に公開予定の映画の前売り券(3000円)に付いてきました。
やったね、これで来年見に行く映画が一つ決まったよ!
・ぼんぼり祭り 〜前準備〜
とまぁ、そんな感じでホクホクしていると只ならぬ雰囲気を漂わせる一角を発見。
何事かと辺りをウロチョロしながら聞き込みをしてみると、どうやら「
のぞみ札お焚き上げ」の整理券抽選会とのこと。
「折角だしやってくか」と軽い気持ちで最後尾を目指すが…中々着かない。
まさか湯涌でコミケのように、長蛇の列に並ぶことになるとは夢にも思わなかった。
しかしその甲斐あってか、見事整理券を獲得することが出来ました。
お焚き上げが見れるよ、やったねハリマ!
(だがこの時の私は知らなかった。この後に過酷な試練が待ち受けていることを…)
・閑話 〜総湯 白鷺の湯〜
無事に整理券も手に入り、入場まで時間を潰す必要が出てきた。
ご飯を食べても良かったけど、どこも混んでいてちょっと入り辛い…
という事で、会場近くの総湯に入ってきました。
多少混んでたものの、店の人が上手く捌いてくれたお陰である程度の余裕を持って入れました。
中の温泉はそこそこ広い内湯で、ちょっと熱め。
その日は少し肌寒かったのだけど、入って出る頃にはホッカホッカでした。
いやぁ、やっぱり温泉って良いよね〜♪
などと思いつつ、入場待機列に並ぶのでした。
・ぼんぼり祭り 〜玉泉湖〜
総湯から外に出てみれば、すっかり日が落ちて空気が冷え始めていました。
辺りを見回せば、いつの間に集まったのか大勢の人が列を成していました。
慌てて並び始める私。。。完全に出遅れていました。
ちなみにこちらは「お焚き上げ」とは別会場の同時刻の様子。
無数のぼんぼりに照らされる中、大勢の人が待機していました。
そうやって待機列に並ぶこと約30分。ようやく会場の「玉泉湖」への入場が始まりました。
玉泉湖までの道のりには複数のぼんぼりが灯っていました。
(これ以降の道にはこのぼんぼりしか灯りがなく、中々雰囲気が出ていました)
しばらくぼんぼりに沿って歩いて行くと会場の玉泉湖に到着。
しばらく湖の周りを歩いて見易そうな位置で陣取り。そのまま祭りが始まるのを待つことに。
ちなみにその時の会場はこんな感じ。
灯りが少なく、湖に反射したぼんぼりがクッキリと見えていました。
携帯の電池も切れかかっていたので暗い中をキョロキョロと見回しながら祭りが始まるのを待つことに。
(1時間後…)
さ、寒い…(ガタガタガタガタガタ…)
昼はそこそこ暖かったので思わず半袖で来たのは間違いでした…
最初の30分ぐらいまでは温泉パワーで暖かかったのですが、1時間もすればスッカリ体は冷え切ってしまいました。
すぐ傍にはぼんぼりが飾られていますが、残念ながら電灯なので体は温まりません…
(さらに1時間後…)
この頃になると完全に体は冷え切っており、既に寒さを通り越して感覚がなくなってきました。
心なしか頭もボーっとする中、唐突に会場入り口から歓声が聴こえてきました。
ふらつく頭を必死に動かして見てみれば二つのぼんぼりがこちらに向かって来るではないですか!
来た、ついに来た!ぼんぼりがやって来た!
と、寒さでかじかむ体に鞭をくれて何とか立ち上がると2本のぼんぼりと、神輿はすぐ傍までやって来ていました。
慌ててカメラを構えて撮影…が、やはり急いでいたためブレッブレでした(苦笑
なんとか一枚まともに撮れたのでカメラを下ろして行列を眺める事に。
行列は2本のぼんぼりを先頭に、神楽鈴を持った少女達、ねがい札を詰めたと思われる神輿を担いだ人、そしてこの祭りの協賛者の方々の順に続いていました。
ちなみに協賛者の中には南砺市の方も居られました。石川になぜ?と思いましたが、城端がありましたね。
県を跨いで繋がるアニメの輪に良く分からない感動を覚えているうちに行列は湖岸に拵えられた特設ステージに到着していました。
特設ステージではキャンプファイヤーのような木枠が組まれており、その前に稲荷神社の宮司さんと巫女役の少女が待機していました。
そして遂に、ぼんぼり祭りの〆を飾る「お焚き上げ」が始まりました。
お焚き上げはまず宮司さんの祝詞から始まりました。
宮司さんが「祝詞を上げるので、皆様ご静聴下さい」というと、それまでザワめいていた会場が途端にシーンとして吃驚。
聴こえるのは虫の声だけという中で、朗々と響きわたる祝詞。
そして祝詞が終わったと同時に巫女役の少女が木組み近くで待機していた人に火(神火)を渡します。
そしてその火を使って木組みに点火。
最初はパチパチと静かに燃えていました。
しかし、しばらくすると轟々と勢いよく燃え上がってきました!
暗闇に慣れた目には辛い程赤々と燃え盛る様子に、それまでの寒さなど吹っ飛ぶぐらいに心の中で盛り上がる私。
そんな風に煌々とねがい札が燃え盛る様子を見つつしばしホケッと惚けていましたが、悲しいかな、イベントはいつか終わるもの。
閉会の言葉を持って「第二回ぼんぼり祭り」を終了するというアナウンスと共に、特設ステージに上がった湯涌観光協会会長から閉会の言葉。
その中には勿論、来年もやりますという言葉もありました。
城端もそうですが、もうバンバンやっちゃって欲しいですねー。
そりゃアニメなんて…という人も居ますが、それよりも人が来ない方が問題なんです。
ただでさえ不景気で旅行する人も少ない昨今、一日に7000人も集まるイベントなんてそうそう無いですよ。
そして何よりも、地元や地域にひと時でも人が集まって盛り上がる様子は見てて楽しいんです。
だからP・A WORKSさん頑張って!私は富山県民の一人として応援してるよ!
…などとこれまた心の中で盛り上がっているうちに祭りは終了。
閉会の言葉と共に会場も解放され、私もまたぼんぼりの灯りが灯る中を街に向けて降りて行きました。
・ぼんぼり祭り 〜終了後・湯涌稲荷神社〜
祭りも終わり、後は帰るだけかと思いながら道を歩いていると人の流れが二つに分かれていることに気付く。
「おや?」と思って流れの先を見てみると稲荷神社の方へ続いているじゃあないですか。
祭りの準備の為、午後5時に閉まっていたため諦めていた神社が祭りの終了と同時に解放されてる!
それに気付いた瞬間、バスの待ち時間ギリギリなのも忘れて急遽人の流れに乗って神社へ向かう事に。
向かった先は湯涌稲荷神社。
アニメの1シーンの舞台でもあり、それとは別の由来もあるそうです。
残念ながら暗くて別の由来に関して書かれた立て札を見る事は叶いませんでしたが、ライトアップされた鳥居はしっかりと見る事が出来ました。
神社と、ぼんぼり祭りの両方の目的を無事に果たす事が出来て満足。
来年はもっと余裕を持って来る事を胸に近いながら、今度こそ帰路につくことに。
・さいごに
ここまでぼんぼり祭りと、花咲くいろはについて盛り上がっておきながら何ですが…実は私、花咲くいろはを見たことがありません(ぇ
イベントの熱気に絆されて映画の前売り券を買ったりしましたが、湯涌が舞台というのも来るまで知りませんでした。
しかし、そんな私でもこのお祭りを十二分に楽しむ事が出来ました。
そしてなんと、今年は7000人を超える人が訪れたそうです。
今はアニメファンが多いかもしれませんが、この事で街が活気付き、人がもっと集まれば更に大きなイベントになるやもしれません。
そんな風に考えてしまうほど、このイベント中の湯涌は活気付いていました。
そういう意味では、このお祭りは大成功なのではないでしょうか。
ゆくゆくは県外、地域外に広がるような一大イベントになると良いですねぇ。
そしたら「二回目から参加してたんですよ、ねぇねぇ、私二回目から参加してたんですよ〜」って言えるのになぁ(笑
あ、そうだ。映画を見に行く予定も出来たし、「花咲くいろは」も見ないと!
湯涌にはまた冬に来るつもりだけど、それまでには見終えて別の角度から湯涌を楽しめるようになりたいな。
以上を持って「第二回ぼんぼり祭り」のレポートを締め括りたいと思います。
ここまで見て下さった方に大きな感謝を。
それでは、また何処かで会いましょう。
ではでは、またねノシ
・施設情報
【総湯 白鷺の湯】
『各種情報』
≪温泉の営業時間≫
7:00〜22:00
(休業日:毎月第3木曜日)
≪料金≫
大人:350円
中人:130円
小人: 50円
≪注意事項≫
シャンプー・ボディーソープは備え付けられていません。
各々用意してくるか、受付で購入しましょう。
【白鷺の足湯】
『各種情報』
≪温泉の営業時間≫
9:00〜21:00
(休業日:毎月第3木曜日)
≪料金≫
無料
≪注意事項≫
足を拭くためのタオル等を用意しておくと良いです。